化石を見学されているお客さまのなかに、色のバリエーションに気づく方がいらっしゃいます。実際、化石には灰色、白、ほぼ真っ黒、赤などさまざまな色があり、あまりの色の違いに、「塗ってあるんですか?」と聞かれることも。化石の色はどうしてこんなにいろんな色があるのでしょうか。 もちろん化石に着色しているわけではなく、それぞれ天然の色です。前回、化石は「石になった生物の遺骸」とお話しましたが、石の元になる鉱物は、化石が埋まっていた地層によって種類も組み合わせも違い、どんな成分の鉱物に置き換わったかによって色は決まります。つまり、化石の色はその地層の性質によって変わってくるのです。マンガンなどの元素が多ければ黒っぽくなりますし、極端な場合、黄鉄鉱という鉱物に置き換わると金色になることも。また、地層に埋まっている間に高い圧力や熱を受け、化学組成が変化することによって、色が変わることもあります。 ただし、白い地層から見つかったからと言って化石も白っぽくなるとも限りませんし、「このような理由があってこの色になっている」と明確に語れる場合は少ないのが現状です。なぜなら、骨の研究をするのに色の情報はまったく関係がないため、これまで誰も詳しく知ろうとしてこなかったからです。そして、これからもされることは恐らくないでしょう。
色違いのアンモナイト化石
同じ種類、同じ地域の産地でも色が違うこともある
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