今回は現在開催中の特別展「児島虎次郎 もうひとつの眼」列品紹介@ツイッターで活躍中の、愛称「でぃーけー」、ディプロカウルスくんの紹介をさせていただきます。
さて、どうして当館で、ペルム紀のディプロカウルスをキャラにしちゃったのか、疑問に思われた方も多いでしょう。理由は、じゃじゃーん、単に筆者が好きなだけだからでーす!
ちなみにディプロカウルスは、Diplocaulusと書きまして、じつはでぃーけーではなくてほんとうはでぃーしーなのですが、そこはご愛嬌ということでお許しください。
さて、ディプロカウルスは、今から3億年~2億5000万年前、河川などの淡水域で水中生活をしていた両生類(現生ではサンショウウオやカエルのなかま)です。化石は、北アメリカや北アフリカでみつかっていて、5種類ほどが知られています。残念ながらペルム紀の終わりに絶滅してしまい、地球上から姿を消しました。
頭をのぞけば、体の形はオオサンショウウオに似ていて、上下にぺちゃっとつぶされたような、平べったい姿をしていました。体長およそ1mと両生類としては大きい部類に入ります。
特徴的なのは、なんといってもこのブーメランみたいな変わった形の頭。なんじゃこれ、ですよね。この三角のブレードは、後頭部にある2つの骨が横に長く伸びることによって形作られています。このような特徴は幼体の化石にはみられないため、成長するにつれて発達したのでしょう。平たい頭に平たい体つき、顔の上面についた目と鼻の位置から、主に水底で生活していたと考えられます。
しかし、いったいなんのためにこのような頭の形になったのでしょうか。首の部分を守るため?メスへのアピール?水の中で安定するから?はたまた、水中で浮力がつきやすいから?諸説ありますが、確かな答えはまだよくわかっていません。
大きな頭のわりには口が小さく、歯も小さめ、そして顎の筋肉が付着する面も小さかったため、咬む力は弱かったのではないかと思われます。小魚などの小さな水生生物を捉えて食べていたのでしょう。
このディプロカウルス、実は化石が発見されたのは今からなんと140年以上昔のことなんです。今だに謎めいたところ、そしていろんな意味で時を超えてやってきたところも、ディプロカウルスくんはロマンを感じさせる動物なのです。
ディプロカウルス復元想像図
この図のように三角ブレードの先から首部分に皮膚の膜があったとの説も。
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