ベネチテスってどんな植物?
ベネチテス類は裸子植物の仲間で三畳紀後半に現れ、中生代に繁栄しました。世界中から見つかり、成羽地域を含め日本でも中生代の地層から多産します。
一見すると葉も幹の形もソテツによく似ていますが、生殖器官や葉の気孔のつくりがソテツとは異なっています。また、ソテツはオスメスが異なる株ですが、ベネチテスは、両性のものが多くあります。ちなみにソテツも中生代に非常に繫栄した植物で、この時代はソテツとそれによく似たベネチテスが地球上の植物の中で大きな割合を占めていました。
2つのグループ
ベネチテス類には大きく2つのグループがあり、枝分かれする細長い幹を持つ、高さが2mほどになるウィリアムソニ科と、太くてごろんとした丸い幹を持つ、高さ1mに満たないキカデオイデア科があります。成羽から見つかるのは、背の高いほうの、ウィリアムソニ科のなかまです。カンピロフィラム属、オトザミテス属、プテロフィラム属の3属14種の葉化石が今までに発見されています。特にオトザミテスとプテロフィラム属が多く見つかっています。
成羽から見つかるベネチテス
成羽産のオトザミテスの葉の小葉は形がさまざまありますが、互い違いに葉柄につき(互生)、根元は耳たぶのような形をしていることが特徴です。プテロフィラムは小葉がリボン状(長方形)の形をしていて、葉柄に対してほぼ直角についているものが多く発見されています。
現在展示している化石はわりと小さいものが多いので、じっくりと小葉の形を観察していただければ幸いです。