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【Big News!】貴重な大発見!当館所蔵の化石標本にまさかの魚竜化石

この度、成羽美術館で長い間「モノチス」(2枚貝)の化石標本として展示していた岩塊のなかに、脊椎動物化石が含まれていることが発見されました。見つかったのは後期三畳紀の魚竜類で、この時代の魚竜化石の発見は世界的にも珍しいことです。これまで日本では宮城県で魚竜類の発見報告がありましたが、西日本での発見報告は今回が初めて。さらには、後期三畳紀の魚竜類としては日本初の発見となり、魚竜の進化を辿る上で重要な意味を持っています。

今回の発見について魚竜化石研究の世界的権威、カリフォルニア大学デービス校の藻谷亮介教授は「ノーリアンという時代は魚竜類の進化における重要な転換期で、近海型から遠洋型への進化がほぼ完成した時期にあたります。しかしこの時代の魚竜化石は世界的に稀で、まとまった化石はカナダのブリティッシュコロンビアから知られているのみです。日本からこの時代の魚竜化石が出たといういことは、進化した魚竜類が太平洋より大きかった当時のパンサラッサ海を実際に渡ることができた可能性を示し、大きな意義があります」とコメントしています。

(魚竜化石が含まれていた岩塊)

ところでこの化石、表面に「モノチス」(2枚貝)の化石がはっきりと確認できる岩塊として当館ではお馴染みの化石標本でした。ずっと展示していたので、ご覧になったことがある方もいらっしゃるはず。当たり前すぎて見過ごされていた標本に、新たな光を与えてくださったのは、岡山理科大学の加藤教授(当時、倉敷芸術科学大学)です。2023年の夏、中高生を連れた校外学習で来館されていた時に、偶然「あれ?これ骨じゃない?」と発見されたのが事のはじまり。その場にいた福井県立恐竜博物館湯川研究員と当館学芸員の碇がともにその存在を確認しました。

(化石展示室)

その後、福井県立大学や福井大学医学部の協力も得ながらエックス線CTによる画像解析をおこない詳しく調査した結果、塊の中に21点の骨化石を確認。その骨の特徴から魚竜類と特定されました。今後も、加藤先生や湯川研究員を中心に詳細な研究が進んでいきます。

(成羽の魚竜イメージ 碇 京子作成)

今回の発見を受けて、成羽美術館では<速報>として魚竜化石のミニ展示を計画中です。夏休みにあわせて8月頃に皆さんにお披露目できるよう準備を進めています。ずっと展示してあった化石標本ですが、魚竜化石として改めて別の視点で展示するのは新鮮さもひとしおです。期間中には、発見者の加藤先生や共同研究者の湯川研究員による魚竜のワークショップや講座も開催予定。詳細はHPやSNSで発表しますので、お楽しみに♪

(左から 湯川研究員、加藤教授、碇学芸員。3人は本当に仲が良い!)

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