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第5回 植物の化石はどんな化石?(2)

前回、植物が化石として残りにくいというお話をしましたが、今回もそのお話の続きです。

植物の化石は、動物の化石以上にその植物そのものが「まるごと」化石になって残ることは非常に稀です。「幹だけ(幹か枝かも区別は難しい)」、「葉だけ」「実だけ」ということがほとんど。

幹と葉が同時に残っている化石が見つかっている場合は良いのですが、例えば幹だけの化石だと、これについていた葉が何なのかはわかりません。逆もしかり、です。絶滅してしまって今は近縁の種類さえいない場合は比較するものもないため、全体像を明確に復元することは難しいのです。そういう場合は、葉と幹が両方見つかっている化石で、一番近い種類を世界中から探して、その姿に近いのではないか、と推測するしかありません。

また、後になって幹と葉がついた化石が見つかれば、「あ、この幹と葉は同じ植物だったんだ!」ということがわかり、別々につけられていた名前が統合されることもあります。

動物の世界でも、似たようなことがあります。例えば卵の化石。卵(しかも殻の破片がほとんど)だけが見つかっていて、その親がわからないケースも。そのため、卵は卵でちがう学名をつけたりします。後に幸運にも卵の中に赤ちゃんの化石が見つかったり、親が抱卵中の化石が見つかったりすれば「この卵はこの動物のだったんだ」とはじめて確認できるわけです。

化石は、当時の生き物のことを教えてくれるとても貴重な資料ですが、「断片」でしかありません。大きな断片、小さな断片、いろいろありますが、1つ1つのピースを地道につなぎ合わせて昔の世界を復元していくことが、古生物学という分野なのです。

ニルッソニア(球果類) 

三畳紀後期・岡山県高梁市成羽産
「ニルッソニア」は、バラバラの1枚の葉につけられた学名。

スウェーデンボージア(球果類) 

三畳紀後期・岡山県高梁市成羽産
球果植物の球果の鱗片ではないかとされている。

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コメント

    • 溝尾ひかる
    • 2021.11.15 2:26pm

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