当美術館には植物化石をご覧いただける化石展示室があります。本格的に化石を扱っている美術館って全国でも非常に珍しいのではないでしょうか。なぜ美術館なのに化石が?と思われるかたも多いでしょう。
どうして美術館に化石があるの?
美術館が建っている成羽地域は、日本で最も古い「森の化石」が産出することで有名な場所。三畳紀という今から2億3千万年前の地層が分布していて、そこから豊富な植物化石が見つかります。かつてユーラシア大陸の海岸沿いに広がっていた、広大な森の植物たちです。産出する化石は種類が豊富というだけでなく、今まで発見された約110種のうち、なんと3分の1以上にあたる40種が新種です。つまり、世界で初めて発見され、タイプ標本(その植物の定義をするための元となる標本)として学術的に登録された標本だらけということ。ナリワエンシスやナリウェンシスなど、学名も成羽にちなんでつけられたものもあります。成羽地域は、世界でも他に類を見ない植物化石の産地なのです。
サゲノプテリス ナリワエンシス
65年前、児島虎次郎だけでなく、化石もまた地元成羽の貴重な財産であるとして、それらをコレクション、研究し、展示するという理念のもと、成羽美術館はつくられました。 というわけで、当館は全国でも珍しい、化石展示室のある美術館となったのです。
これから成羽美術館では、成羽の植物化石のお話を中心に化石についてさまざまな話題をお届けするコラムを始めることとなりました。どうぞよろしくお願いいたします!
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